アート, プロジェクションマッピング
度胸のあるプロジェクションマッピングの作り方
参考作品:http://www.pablovalbuena.com/より
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今朝(11月22日)のめざましテレビでも、3Dプロジェクションマッピングについて取り上げられていました。僕の作品を前にしても、観客が「プロジェクションマッピング」「マッピング」「東京駅の!」と言われることが多くなりました。制作者から、消費者まで認知度が高まって、そろそろ消費されている感じがしています。
参考記事:「プロジェクションマッピングのオワコン化が始まってるのかもしれない」
美術表現として行われてきたものと、いま流行っている商業的なものとでは、だいぶ印象も手法もことなるような気がします。
観客を飽きさせない、または制作者に自信が無いせいか、映像が非常に動きが早い、展開が早い印象を受けました。
僕の考えでは、映像の展開が早いのは、建物に映像を投影する強みをいかしていない、もしくは強みを理解していないと感じられます。
建物の変容を映像によって表現できるのにも関わらず、シアターのスクリーンとして捉えているしまっていることが多い気がします。映像の展開が早くなると、「建物が邪魔になる」瞬間が出てくるわけです。きれいでフラットなスクリーンの方が、映像を見るには向いています。
建物は、通常動き出さないし、変化しません。だから、プロジェクションマッピングは面白いのですが、だからといって映像的な速度(30フレーム/1秒)になる必要はありません。普段、動かない建物が、少しだけ動くので十分です。
つまり、早い展開は、プロジェクションマッピングではなく、映像の強みを活かしているという誤解だと思います。クリエイティブな建築物は、動かなくても魅力的です。だから、どんどん変わらなくても、面白くできるわけです。
また、上映型の展示も、僕は向いていないと思います。「はい、今からスタートします。はい、これで終わりです!」というような映画館のスクリーンと観客という関係では、プロジェクションマッピングの強みを活かせないと思います。
町並みの中で、人それぞれの生活や行動のペースがあり、その時間の流れとは無関係に建物は存在しています。作品とバッタリ出会うような関係のほうが、変容した建物との観客との関係を演出できるはずです。
早い展開と、上映形式の展示は、運営側の配慮が強く反映されている気がします。芸術的なものと商業的なものを決別させるには、一種の「度胸」のようなものが必要ではないでしょうか。
<ミレニアムの5天使>(部分)「旅立つ天使」2001年 ヴィデオ・サウンド・インスタレーション
Photo: Kira Perov
それは、ビルヴィオラの映像インスタレーションのように、あまり変化のない映像からずっと待つことから、ダイナミックな変化が訪れ、面白さが生まれるような演出や観客への待たせることを要求するぐらいの度胸はあっても良いと思います。自分の作品が面白い表現と自信があるのであれば、それぐらいの意気込みは必要です。
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