ビジネス, 日記
名前の力
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「ゲド戦記」で、人物の真の名を悪者に知られると操られてしまうというシーンがあります。
魔法は物語の中のチカラだと思いたいですが、名前や言葉のチカラは確かに侮れないと感じることがあります。
活動休止をしているミュージシャンのYUIさんが、別名義で活動を行っているニュースを見ました。
活動休止の理由は「素直に言うと、限界が来た、って感じですね」「これ以上進めないっていうところを通り過ごして、多分もう歩けなくて立ち上がれない、っていうところまで来たのかな、と思います」とインタビューで答えています。
ある継続的な活動をするときに、名前は非常に重要なのですが、ある一定の段階に来ると、逆にその名前が邪魔になってしまうという瞬間が来てしまいます。それは、きっと「○○さんは、こういうことをする人」というイメージができてしまって、「○○さんは、こういうことはしない人」という思いを自分の中でしてしまいます。それがバリアやハードルになり、自分に重くのしかかることもあります。
しかし、YUIさんは、さっそく「flower flower」という名義で、ライブハウスにてライブを行ったそうです。
やはり、「YUI」としての限界を感じていたのでしょうか。
私も「田中健司」を辞めたくなる時があります。限界を感じているからです。活動を続けることで知ってもらうことは増えるのですが、どんどんと不自由になっていく面があります。もちろん、新しいことや挑戦を続けたいのですが、見えない力が働いているような気がしてなりません。
では、そういう時にどういう方法があるのか、と考えてみると、やはり新しい名前を名乗ることですね。YUIさんの方法は、正攻法だと思います。
でも、新たに名前を名乗るってことは、特殊な感覚で戸惑う人を良く見てきました。
たとえば、会社やお店、プロジェクト、ユニットを始める時に、新しい名前を名乗る機会があります。名前は、そう簡単に変えてしまっては意味がないから、慎重になってしまいます。でも、どういう基準で作っていいのか、わかりにくいものです。
【もう一人の人格を作ることと同じ】
例えば、会社のように法人を作る時は、法人格を作るわけですから、新しい人格を作るととらえると考えやすいですね。
「僕って、大人しい性格だけど、社交的になりたい。実は、かっこいいものばかり作っているけど、かわいいものを作りたい」とか、囚われてしまっている時に、新しい人格を作るという考え方は助かると思います。
しかも、複数の人間で1つの人格を作るというのも新しい体験ですね。だから、会社やプロジェクト、ユニットって、新しいチャレンジができるし、それ以前に新しい人格を作るとてもクリエイティブな行為だと思います。
自分の強み、自分の足りない部分を意識して、新しい人格を作ってはどうでしょうか。
【個人の拡張としての名前】
ファッションブランドや建築・デザイン事務所では、個人の名前を掲げていることが多いですね。代表の人の名前がつく場合がほとんどですが、その人の考え方を拡張するという使い方も法人格にはあるでしょう。
その人には、夢や目標や才能があって、それを他人も含めたチームになって実現していこうという取り組みになります。だから、個性を強める大きくして、一人では出来ないことを可能にする将来性がありますね。でも、その人がいなくなったら!?って不安な面もあります。しかし、シャネルやルイヴィトンだけでなく、ホンダ、トヨタ、松下も創設者の名前を使うのは、王道でもありますね。
【目標の下にあつまる集団】
ある特定の個人が主体になるのではなく、目標やミッションを設定して人があつまる。これはとても理想的なことだと僕は考えています。個人の力そして寿命にも限界があります。伝統や継続性を考えると、ミッション型の集団ってとても魅力的だと思います。企業もミッションを持っていますが、ミッションより血縁が色濃い面もあります。NPOは、まさにミッション型の集団を目指すのが前提になっています。
当然、組織の形で性格を決めつけてはいけませんね。組織も個々によって全然違うでしょう。ホームレスのビジネスを支援するビッグイシューは、NPOではなく株式会社ですからね。でも、利益追求の前に社会的なミッションが設定されていますよね。
【名前は変わってもいい】
慎重に考えたからといって、考えや時代はどんどんと変わっていきますから、いつか名前を変えてもいいと思います。特に、特徴や専門性を示した名前だとなおさら時代の変化の影響があるかもしれません。
例えば、Appleも、2007年に「Apple Computer, Inc.」から「Apple Inc.」へ社名を変更してます。いまやAppleと言えば、iPhoneやiPadそしてiTunes storeですよね。いま考えてみると、パソコンの企業の将来性ってあまり魅力的には思えないですよね。そういう意味では、現実や時代の流れを反映した改名ですね。
あと、音楽ユニットのTRFも、1996年に「trf」から「TRF」へと大文字に改名しています。これは、小室哲哉さんからの独立とその決意の表れだと言われているようです。
時代や自分たちの状況の変化に対応して、名前を変えるということは、とても大きな意味を与えそうですね。
この記事の最後に。
もし、新たにプロジェクトなどを始めるとき、新しい名前を考えることがあれば、新しい人格つまり人を作り出すと考えるようにすれば、それ自体がとてもクリエイティブなことにありますよ。そして、「名前の力」というものを考える瞬間って、もっとあってもいいでしょうね。
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