ビジネス, 日記

アリに学ぶマネジメント 成果と余力の不思議な関係

Posted on 2013-02-27

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フルで働くことは、突然やってくるチャンスを逃す
良い仕事やチャンスは、いつやってくるかわからない
働かないは「予測不可能性」に対応するための「余力」
「余力」を作る発想は必要

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アリは働き者だ。というイメージは、アリとキリギリスの童話でおなじみです。でも、実はアリは全く働いていないということが研究で明らかになっているそうです。

長谷川英祐さん『働かないアリには意義がある』という本でアリの興味深い生態が紹介されています。その本の帯には「7割は休んでいて、1割は一生働かない」という過激なキャッチコピーが目に入ります。

なんだか、僕は朗報だと思いましたw 正直あまり働きたくないからです。なぜかというと、すごく忙しく働いている時の自己イメージもよくありません。質の良い仕事をしているとも思っていないからです。そして、遠回りかもしれませんが、如何にして働かないかが、実は僕にとっての仕事の効率化やお金を増やすことの根拠になっているような気がしています。ただし、働ける能力を持つことは重要なので、働きたくない気持ちと分けて考えています。

まず、人間とアリどちらの方が豊かな生活をしているのか、または、生活に余裕があるかを比べたときに、絶対、人間の方が豊かだと思います。蓄える技術を持っていますしね。それでも、豊かな人間の方が働いているのに、豊かではないアリの方が働かないなんて、現代版の童話でもかけそうなくらい面白そうな話に思えてきます。

アリと人間は大きく違うと思われますが、アリは昆虫の中でも社会を持つ真社会性生物と言われるそうです。社会を持つという意味では、人間と共通点がありますね。1匹で行動する生き物が、もし本当に働かなければ、食料を得られずすぐに死んでしまいます。つまり、働かないアリは、他のアリやアリの社会に生かされているということです。

人間の社会でも、突然仕事が舞い込んでくることがあります。残業、徹夜、休日返上ということをして、僕たち労働者は乗り越えていくことになりますね。アリに例えると、突然昆虫の死骸を見つけて、エサを回収する仕事が増えてしまうことがあったときに、みんながすでに精一杯働いていたとしたら、すぐに回収できませんよね。もしくは、他の動物に獲物をとられてしまって、チャンスを逃すかもしれません。

長谷川英祐さんの説明だと、この突然起こることを「予測不可能性」と言い、それに対して、「余力」を残していると考えられています。エサを確保する以外にも、天敵から巣を守る、卵の世話など複数の仕事がありますが、その余力として、働かないアリが必要です。

働かない→「予測不可能性」に対応するための「余力」

ここで、僕のことに話を置き換えていきたいと思います。このアリの社会の論理には、とても共感することがあります。なぜかというと、僕は週2、3日しか、まともに働いていません。あまり働かないアリなんです。なぜかというと、その分の給料である程度生きていける立場にいるからです。たしかに、アリのように社会というか、家族や親に生かしてもらっている面もあります。もちろん、それを幸運で恵まれていると思うかもしれません。だけど、家族が病気になった場合は僕が面倒をみることがあります。また、家計が危なくなったら、僕が対応することになるでしょう。

「余力」を何にあてるか!?

しかし、他の日も動いています。給料のための労働ではなく、活動としての仕事をしています。これは、一見夢みたい理想のような話をしていると思われても仕方がないのかもしれません。おおげさかもしれませんが、企業に置き換えると、新規事業や研究開発のように、すぐに収益にはならないけど、将来性があることに時間と手間とお金を使っています。すぐにお金になる仕事ばかりしていると将来への余力はなくなるかもしれません。実際に、徐々にお金にもなりつつあります。「余力」を確保して、将来への投資を行っているつもりです。

これ以外にも余力を持つ理由があります。それはなぜかというと、計画通りにいかず、非常に時間がかかってしまうことがあります。計画の3倍くらい労力がかかることだってあります。そのための余力です。アーティストとしての立場として、逆説的にいえば、この程度の仕事に対して、商業では成り立たないぐらい圧倒的な時間と手間をかけるというのも、ひとつのスタイルだと思っています。そして、一番大事なことは、すごくいい仕事が急に舞い込んだときに、すぐに対応できるかということですね。長期的な予定はありますが、短期的な予定はあまり入っていません。もちろん、理屈で言えば予定があると言えますが、世間一般的はこれを暇と呼ぶのでしょうw

現実の社会の中で、「余力」を確保することは、非常に大変なことだと思います。でも、このアリの行動を参考にすれば、あなたの考えや行動が少し変わってくるかもしれません。

働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)

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