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スキルアップは必要なのか?

Posted on 2011-07-10
先日、大学時代の後輩から
会社を辞めたという連絡を深夜に受けました。

かなり落ち込んでいるようで、
生きる目的や方向を失っているかのような印象を受けました。

会話の中で、30歳近くになる後輩の口から、
「スキルアップがしたい」という言葉を聞いたとき、
違和感を感じました。

もちろん、学ぶことは大事です。
業種によっては、資格をとることも重要でしょう。
また、活動できる市場を広げていくためには、
語学を学ぶことも必要になっていきます。

しかし、いまさら「スキルアップがしたい」だなんてと思いました。
私がそう考えるの背景には、日本経済が衰退している原因と関連があります。

日本は、技術重視で進んできて、
最新の技術では、まだまだ中国に負けないでしょう。

しかし、いまの時代、
技術はさほど必要ではないことも事実なんです。

日本は、ガラパゴス化しているなんて揶揄されています。
例えば、日本が電化製品でグローバルな市場で戦い、
韓国メーカーに勝つためには、

最新技術の開発より、
製品の「グレードダウン」と「ローカライズ」が重要になってきます。
「グレードダウン」は、製品の性能を低くして価格を安くすることです。
「ローカライズ」は、地域のニーズを製品に反映させることです。

ガラパゴス化の要因には、国内マーケットでの激しい競争の中で、
製品が趣向品化しすぎている問題があります。

グローバル市場で考えた時に、
それを必要としているのは、お金持ちやマニアの一部だけなので、
ターゲットの設定が間違っています。

だからといって、技術開発を否定するわけではありません。
5年10年後先でも、付加価値を持ち続けるために技術は必要です。
エネルギー問題など深刻な課題に対しては、
技術革新がひとつの問題解決になります。

しかし、いま何をすべきなのかを
読み違えることの方が大きな損失を生むでしょう。
また、競争相手と差をつけるだけのスキルなど
そう簡単に手に入るわけはありません。

技術を重視して、失敗した例が巷にあふれている中で、
「スキルアップがしたい」は、非常に違和感をおぼえました。

まず、目先の戦術を考えるのであれば、
ターゲットとマッチングを練る方が、
スキルアップより効果はあるはずです。

日本経済と個人の技術を比較するのは、
無理があると思いましたが、
典型的なパターンなので紹介しました。

最後に言いたいのは、スキルが無いから
自分はダメだなんて思うこともやめましょう!

もう、スキルは十分です。
そう、私も自分自身に言い聞かせます。

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